日曜日のフジテレビの長寿番組「はやく起きた朝は」は、松居直美さん、磯野貴理子さん、森尾由美さんの仲良しトークが人気の番組。
本日の放送で、スタジオ内の金魚鉢に近づいた貴理子さんに、直美さんが「金魚にえさをあげてあげて」と言いました。それが気になったのか、妻が「あげてあげてって、変じゃない?」と言いました。
この「あげてあげて」は、「金魚にえさをやってあげて」という意味なんだと思います。
確かに、あげてが重なるのは気になりますよね。
でも、前の「あげて」を「(えさを)やって」と言ってしまうと、ちょっと乱暴に聞こえてしまいます。
それは、「あげる」という言い方に、金魚を愛おしむ気持ちがこもっているからです。
近所の子どもが家によったときに、「おかしをあげるね」とは言っても、「お菓子をやるね」とは言わないでしょう。
このように、日本人は無意識のうちに、自分の気持ちが言葉の選択に表れてしまうのです。
直美さんは、「金魚にえさをあげてね」とシンプルに言えば、スッキリした言い方になったと思います。
多分外国の方が、日本語に戸惑うのは、文法だけじゃなくて、話し言葉の選択に自分自身の気持ちが写り込んでしまう日本語の不思議さなんでしょうね。
3月まで教師をしていたので、どうも言葉の使い方には神経質になるようです。