四万温泉−積善館−
父が数え年で「白寿(九十九歳)なので、お祝いを兼ねて四万温泉へ家族旅行をしました。実際に宿泊したのは積善館のとなり「四万グランドホテル」です。
せっかく四万温泉へやってきたので、千と千尋の神隠しのモデルということになっている積善館を撮影しました。アプローチの赤い慶雲橋の向こうに見えるのが本館。現在は湯治スタイルで宿泊を受け付けています。
本館のアップ。時代劇に出てくる宿みたいです。
橋の右手本館の一部が「前新」と呼ばれる部分。川に面した一番下の階が浴室です。ロココ風の浴室で一人だけ入れる横穴のようなスペースがあってサウナ風の入浴ができる。日帰り入浴でお邪魔したことが一回だけあるけど、狭い暗いですごく怖くて入るには相当勇気がいります。
橋から下流を見たところ。夏は水が涼しそうでなかなかいい風情です。
さほど標高は高くありませんが、山懐の温泉のせいか、下界よりは涼しいです。
トンボが山ほど飛んでいます。
こちらは絞り優先モード、マニュアルフォーカス、f/5.6、シャッター1/160、iso200で撮影しました。トンボにフォーカスしたつもりですが若干ずれている気が…。
こちらはオートフォーカスで撮影。欄干の赤が生きていて、たまたまいい感じに撮れました。
四万グランドホテルの窓から見た積善館の全景。斜面に沿って上へ上へと建物が続いている様子が分かります。
四万グランドホテル・四万たむら・積善館のあるのは新湯という地区。道路脇にある案内図はいつごろ設置されたのか、半分は蔦に覆われてしまっています。
新湯地区の土産物屋街。8月14日に通ったときは観光客であふれていました。
朝早く撮影したので、お店の人が開店準備中でした。
河原の湯(共同浴場)このすぐ上が四万グランドホテル。無料ですが、一度も入ったことはありません。道から丸見えなので、なぜか恥ずかしいのです。
こちらは雑貨屋さんやカフェが集まっている「TSUMUJI」という中之条町の観光施設。道の駅みたいです。その名の通りまあるくなってます。
中央のピアノのあるイベントホールから窓越しの景色。
おまけ−本の感想−
今「誰も語らなかったジブリを語ろう」押井守著という本を読んでいます。
映画監督押井さんが、ジブリ映画とは何だったかを対談形式で語った本です。
各作品ごとにその成立過程や特徴を語っているのですが、そうとう辛口。
「千と千尋の神隠し」に関しては、こんな指摘です。
ーブタになった両親を探しに行くエピソードはありましたが、少なくとも後半、両親を元の姿に戻すのが彼女の最優先事項という感じではなくなりましたね。
押井
まず宮さんが考えたのは、都会出身の千尋が重労働して、何かに目覚めてちゃんとした子供になるというアイデア。それを実行するために両親をブタにしただけなので、そこを一生懸命追う必要もない。両親のミッションはそこでほぼ完了しているんだよ。こういうのをご都合主義と呼びます。
ー手厳しい!
全体を通して、ジブリ映画において、アニメーション映画を作るという工程があやふやであること。シナリオや映画としての構造が軽視されているというというのが押井さんの主張。一番の問題点は、大御所に祭り上げられた宮崎さんをマスコミや映画の専門家がきちんと分析したり評論しなかったことだと言うのです。
映像作家として、映画の構造をしっかり構築しつつ作品を作ってきたと自負する押井さんの厳しい論法はなかなか説得力があります。
確かに、映像美と魔法的なアニメーションに酔ってしまう宮崎アニメですが、物語としてはいつもどこか分からない気がするのも事実です。
無から有を生むアニメーションにおいて、物語や登場人物のアイデンティティを構築するには、徹底した制作陣の討議が必要なのでしょう。
押井さんが、ワンマン映画である宮崎作品の弱さを追求するのは映画作家として当然なのかもしれません。
対象的に、ピクサーのトイ・ストーリーシリーズはキャラクターの個性と物語の進行が見事にシンクロしています。
さて、ようやくカメラの撮影メニュー操作に慣れてきました。
まだ、初心者の部類ですが、おいおい表現を攻める撮影にチャレンジしていきたいと思っています。